10月スタートTBS60周年記念連ドラ

SMAP木村拓哉(38)が、10月スタートのTBS開局60周年記念連続ドラマ「南極大陸〜神の領域に挑んだ男と犬の物語〜(仮題)」(日曜・後9時)に主演することが18日、明らかになった。1956年に出発した第1次南極越冬隊の挑戦と19頭の犬との絆を描き、木村は副隊長を演じる。撮影に約7か月をかけ、南極ロケも検討されている。

敗戦直後、日本が自信を取り戻した国家プロジェクトに、木村は挑む。56年に南極観測へ出発した第1次南極越冬隊の倉持岳志副隊長を演じ、犬との別れと再会という苦難の挑戦と感動をお茶の間に届ける。これまで総理大臣、パイロット、脳科学者などを演じてきた木村が新境地を開く。

「作品の内容・撮影ともインアクセシブル、接近不可能な領域に挑む事になるので、余計にワクワクしています。今は台本を読んでいる段階ですが、読む度に“熱く”なります。現場は恐ろしく寒いでしょうけど…。今回の部隊を思い切り楽しんで、スタッフ・キャストと共に倉持岳志という男を形成していきたい」

2月のクランクインを前に、木村は早くも胸の高鳴りを覚えている。昭和基地を造るなどロケ地は主に北海道だが、石丸彰彦プロデューサーは「南極も含めて壮大なロケを検討しています」と話し、木村が南極で熱演する可能性はある。ロケは8月に終了する予定で、7か月間にも及ぶ長期ロケとなるのも連ドラでは異例といえる。

83年の高倉健(79)が主演した映画「南極物語」も同じ題材で、南極に置き去りにしたタロとジロらとの再会を感動的に描いた。同プロデューサーは「素晴らしい映画でしたが、10時間以上かけて語りたい。南極へ向かう第1歩も含め、史実に基づいて描く」と、北村泰一さんの「南極越冬隊タロジロの真実」(小学館)を原案にする。木村の起用理由は、「強い目とリーダーシップですね」と説明し、高倉が演じた役とは違うという。

開局60周年を記念した同ドラマ。「金額は言えないが、過去最大規模で制作します」と同プロデューサーは自信。共演は堺雅人山本裕典寺島進緒形直人柴田恭兵香川照之ら豪華俳優がそろった。木村は「早く皆さんと現場で会いたいです」と臨戦態勢に入っている。

◆南極を題材にした作品 83年公開「南極物語」は故・蔵原惟繕さんが監督、高倉健が主演。無人昭和基地に置き去りにした樺太犬との再会までを実話を基に描いた。配収は59.5億円。97年に宮崎駿監督の「もののけ姫」が公開されるまで日本映画史上最高の観客動員と配収を誇った。06年にはディズニーがフランク・マーシャル監督でリメーク。09年公開「南極料理人」では、堺雅人が南極越冬隊の調理担当を演じた。


当時南極物語の人気は凄かったらしく、音楽がヴァンゲリス(『炎のランナー』や『ブレードランナー』)の起用で印象深かったと、沼田識史(現代美術家)氏は云う。
僕もタロ・ジロの物語は知っていたが映画は観たことがない。