深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞!

カナダで開催されていた第34回モントリオール世界映画祭で7日(現地時間6日夜)、メゾヌープ・シアターにて閉会式および授賞式が開かれ、李相日監督の映画『悪人』でヒロインを演じた深津絵里が最優秀女優賞を受賞した。


授賞式の壇上で、深津は「ありがとう、メルシーボク。私がここに手にしている賞は『悪人』という作品を作ったすべてのスタッフにいただいた賞だと思っています。本当にうれしいです。日本にいるキャスト、スタッフの皆にこの喜びを伝えたいです。ありがとうございました」と語り、また授賞式後には「監督の演出がなければあの演技はできなかったと思うし、(相手が)妻夫木さんでなかったら取れなかった賞だと思います」とコメントし、感無量の表情だった。


また、李相日監督は「役者の力を見せつけられた。全員で勝ち取ったと思います」と力強いコメント。共演の妻夫木聡は「夢のような感じがします。僕らの熱が伝わったと思います。深津さんがいたからこそ、高めあって、支え合って、撮影できた。なにか家族が賞を取ったような気がします」とコメントし、スタッフキャストともども深津の受賞を心から喜んだ。


同映画祭は、トロント国際映画祭と並ぶ北米最大規模の映画祭。最優秀女優賞は1983年に映画『天城越え』で女優の田中裕子が受賞。近年では、滝田洋二郎監督、本木雅弘主演の『おくりびと』が最高賞のグランプリを受賞、また昨年も映画『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』で根岸吉太郎監督が監督賞を受賞し、日本映画が世界で知名度を上げるきっかけとなった映画祭でもある。


映画『悪人』は、朝日新聞夕刊に連載され、毎日出版文化賞大佛次郎賞を受賞した吉田修一の話題作を映画化した犯罪ドラマ。長崎のさびれた漁村で生まれ育った土木作業員が犯してしまった殺人事件を軸に、人間関係が希薄となった現代に「いったい誰が本当の『悪人』なのか」を問い掛ける意欲作。

映画『悪人』は9月11日より全国公開