新型インフルエンザワクチン

厚生労働省は8日、新型インフルエンザワクチンの接種後に
呼吸困難や血圧低下に陥る「アナフィラキシー」を起こした例が
46件報告されていることを、専門家会議で明らかにした。
報告の頻度は10万件当たり0.6件で、一般的な発生率とされる
10万件当たり1件より低いことなどから、専門家会議は
「重大な懸念はない」と結論付けた。

アナフィラキシーはアレルギー症状の一種で、注射で起こる代表的な副作用。

厚労省によると、ワクチンは昨年12月末までに約830万回接種され
医療機関からアナフィラキシーの報告が102件あった。
専門家が検討した結果、このうち46件は接種との
因果関係があると判断された。
意識を失うなど入院相当のケースも20件含まれていたが
いずれも回復しているという。

このほか、今月5日までに脳炎・脳症で7件
神経まひなどを起こすギラン・バレー症候群
5件の副作用報告があったが
これらも季節性のワクチンと比べて際立った危険はないと判断された。

昨年末までに接種されたワクチンはいずれも国産だが
カナダでは日本が輸入を予定し承認手続き中のワクチンを巡り
約17万本の接種で7件のアナフィラキシーの報告があったため
使用が中止されている。