イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)

イヴ・サンローランYves Saint Laurent)。
1936年8月1日、アルジェリアのオランに生まれる。
  

17歳の時、IWS主催のデザインコンクールでカクテルドレスを発表し
最優秀賞を受賞。
息子の才能を信じた母親が、フランス版「ヴォーグ(VOGUE)」の
編集長であったミッシェル・ド・ブリュノフの下へ連れて行ったところ
ブリュノフはサンローランの才能に魅かれた。
ブリュノフの薦めで、サンローランは
エコール・ドゥ・ラ・シャンブル・サンディカル・ドゥ・ラ・クチュール・パリジェンヌ(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne、通称サンディカ)に入学。
また、ブリュノフの紹介で、クリスチャン・ディオール
Christian Dior)のアシスタントになる。
  

57年11月15日、クリスチャン・ディオールの死去に伴い
21歳で後継デザイナーに就任。
58年1月30日、クリスチャン・ディオール死後のパリでの初コレクションで「トラペーズライン」を発表。
60年7月、左岸のビートニクス達へのオマージュを表現した
コレクションを発表。
ストリートの若者のスタイルへの称賛を明確にした
初めてのクチュールコレクションとなった。
62年、ピエール・ベルジェと共にオートクチュールメゾンである
イヴ・サンローランYves Saint Laurent)」を発表。
以後、シースルー、サファリルック、モンドリアンルック
スモーキング、パンタロン等、60年代を代表する新しいエレガンスの
スタイルを発表。
66年プレタポルテイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ
Yves Saint Laurent rive gauche)のブティックをパリ6区にオープン。
85年レジヨン・ドヌール勲章を受勲。93年、デ・ドール賞を受賞。
98年「サンローラン・ジーンズ(SAINT LAURENT JEANS)」をスタート。
1999-2000 A/W から 2000 S/S まで、アルベール・エルバス
(Alber ELBAZ)がイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュの
デザイナーを務めた。
2001年9月29日、表参道にイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ
のショップをオープン。

  
卓越した技術と多大なる存在感で多くのデザイナーに影響を与え
敬意を込めて「モードの帝王」と称される。


イヴ・サンローラン社がグッチ(GUCCI)社に買収されたのを受け
2001 S/S よりイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュのデザイナーに
トム・フォード(TOM FORD)が就任。
2002年1月22日に行われた、パリ オートクチュール・コレクション
を最後に、「モードの帝王」、イヴ・サンローラン
惜しまれつつも引退した。
そして、高度に神格化された影響か
そのままオートクチュール部門は閉鎖され
以後はイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュのみの展開となった。
2003年、エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)社と
コラボレートし、メンズフレグランス
「エッセンツァ・ディ・ゼニア(Essenza di Zegna)」を発表。
2003年11月、トム・フォードが辞任。
  

2005 S/S より、ステファノ・ピラーティ(Stefano PILATI)が
メンズウェアラインのクリエイティヴ・ディレクターを務める。
ステファノ・ピラーティはミラノでファッションデザインを学んだ後
1993年にジョルジオ・アルマーニGIORGIO ARMANI)に
95年にプラダPRADA)に入社し、各社でアシスタント・デザイナーを
務める。
2000年、イヴ・サンローランに入社し、レディースウェアの
デザイン・ディレクターに就任。
2002年6月には、プレタポルテ、アクセサリー、レザーウェア等
全カテゴリーのデザイン・ディレクターに就任。
2007年6月、新ブランド「エディション24(Edition 24)」を発表。
従来のサンローランのベストセラーやアイコンアイテムを
現代女性向けに再編集したものとなる。
2007年12月6日、イヴ・サンローランがフランス大統領府
(当時サルコジ大統領)よりレジョン・ドノール勲章を授与される。
2008年6月1日、イヴ・サンローランが死去。
2009年2月23日、パリの展示場「グランパレ」で行われた
オークションで、イブ・サンローランの遺品が2億600万ユーロ
(当時の為替レートで約250億円)で落札された。
当時、個人のコレクションとしては世界の競売史上最高額であった。


イヴサンローランが最も愛した女性といえば、イヴサンローラン
ミューズといえば、フランスを代表する大女優の
カトリーヌドヌーヴでしょう。


ドヌーヴとサンローランの付き合いは、カトリーヌドヌーヴ主演の
フランス映画「昼顔/ belle de jour(66)」でサンローランが
衣装デザインを手がけたころに遡ります。
「昼顔」では、昼は貞淑な妻、夜は娼婦という二面性をもった
カトリーヌ・ドヌーヴが見事に演じていますが
イヴ・サンローランオートクチュール・ファッションが
息を呑むほどに美しい映画です。


ドヌーヴは特に60年代後半まで、サンローランのアイコンであり
インスピレーションの源でした。
実際サンローランは
「私はいつも、ドヌーヴをイメージしてデザインしている」
と言う言葉を残しています。
対するドヌーヴは
「イヴは、ただドレスを作るというだけでなく
それをどのような女性が着るか、といったことまで探求してくれる人」
というコメントを残しています。
そして国際映画祭などの晴れの席では、常にサンローランのドレスを愛用。
現在でもサンローランの香水や化粧品の広告モデルになっています。