年間ドラマ視聴率

今年1年、時代劇から刑事もの、恋愛、学園ものなど様々なドラマが放送され、秋ドラマもほぼ最終回を迎えた今週、単発ドラマを含む年間のドラマ視聴率が出揃った。1位は歌手で俳優の福山雅治が主演を務めた大河ドラマ龍馬伝】(NHK総合)が24.4%で堂々のトップ。維新の立役者・龍馬の新たな魅力を引き出し、今年の日本を席巻した。そして2位は女優・松下奈緒向井理主演の【ゲゲゲの女房】(NHK総合)。初回視聴率は朝ドラ史上ワーストを記録したが、回を重ねるごとに右肩上がり。最終話で最高視聴率23.6%をたたき出し、有終の美を飾った。

昨年12月から放送がスタートし、初回から20%超えを記録した『龍馬伝』。幕末屈指の経済人・岩崎弥太郎の視点から描いた同作は、過去に度々映画、ドラマ化されてきた龍馬像を打ち破り、新たな“福山龍馬”として大ブレイク。俳優・福山の魅力を存分に見せつける結果となった。また、若手俳優さながらの体当たりを見せた福山の演技ももちろんだが、共演者である岩崎弥太郎役の香川照之武市半平太役の大森南朋といった脇を固める俳優陣も大きくクローズアップされた。
 
そして2位には、松下奈緒向井理の名を一躍全国に広めた朝の連続テレビ小説ゲゲゲの女房】。妖怪漫画で知られる水木しげるとの日々を妻・布美枝の視点から描いた同作は、初回は鈍い出足となったものの、2回目以降は一度もワースト記録を下回ることなく上昇ペースを維持。戦争の爪痕が深く残る経済復興期において、漫画家を生業とする厳しい現実や、明るく気丈に支える妻の姿は徐々に話題に。最終話での最高視聴率を持って幕を下ろした。また主題歌に起用されたいきものがかりが歌う「ありがとう」も大ヒットし、今年の流行語大賞に“ゲゲゲ〜”が選ばれるなど、社会現象を巻き起こしたといえる。
 
3位には木村拓哉主演の月9ドラマ【月の恋人〜Moon Lovers〜】(フジテレビ系)の初回・22.4%がつけた。名作『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』(TBS系)以来10年ぶりとなる、木村の本格ラブストーリーは放送前から高い期待が寄せられ、4月スタートの民放春ドラマの中では最高視聴率をマーク。続く4位にはフジテレビ開局50周年記念として放送された脚本家・三谷幸喜が手掛けたSPドラマ【わが家の歴史】(フジテレビ系)と、放送開始から10年を迎える水谷豊主演の長寿ドラマ【相棒 season9】(テレビ朝日系)が21.2%で同率タイとなった。
 
ここ数年のドラマは、“初回視聴率が最高視聴率”という傾向が強いなか、やはり『ゲゲゲ〜』は破竹の進撃といえる。首位の『龍馬伝』と共に“大河ドラマ”、“連続テレビ小説”というNHKの2大看板が盤石の強さを見せつける結果となった。また今週最終回を迎えた嵐・二宮和也主演の社会派ホームドラマフリーター、家を買う。】(フジテレビ系)も、初回から安定した視聴率をキープし、最終話19.2%で10位に滑り込んでいる。いずれも、出演者の話題性や演出の過激さだけに頼らず、良質なストーリーの構築がヒットのカギとなったことは明白といえそうだ。来年はどのようなドラマが誕生し、視聴者の感性をゆさぶるのか? 大いに期待したい。

※同ランキングは、ビデオリサーチ社(関東地区)による2010年1月1日〜(12月23日)現在のデータで、連続ドラマは最高視聴率をもとにランキング化。なお、4位の『相棒』は、前シーズンの視聴率と合算しランキングしている。

昨日は聖夜でしたね。みなさんはどう過ごしましたか。僕は大学時代の仲間とクリスマス・イヴ会をやってました。ワイワイと賑やかでしたけど、ふと、ベランダから東京タワーを見ていると、沼田識史(現代美術家)先輩は、今頃クリスマス・ソングでも聴いているのかなと考える時がある。沼田氏はいろいろ経験が豊富だから、いろいろなことを回想しているのだろうなと考えたりもした。