山田監督、小百合、鶴瓶が日本外国特派員協会で会見

第60回ベルリン国際映画祭で「おとうと」が
クロージング上映された山田洋次監督
主演の吉永小百合笑福亭鶴瓶が3月11日、東京・有楽町の
日本外国特派員協会で会見した。
山田監督が、同映画祭の特別功労賞にあたる
ベルリナーレ・カメラの受賞を記念したトロフィーを持参して登場すると
盛大な拍手で出迎えられた。

同映画祭には山田監督と吉永が出席したが
鶴瓶はスケジュールの都合で渡独がかなわなかったため
3人が顔をそろえるのは1月30日の公開初日以来となる。
この日は、外国人特派員と外資系企業に勤務する同協会会員など
約150人が参加。外国人記者からの質問の内容に
ときに苦笑いを浮かべながらも誠実に答える3人の姿が印象的だった。

スウェーデンで役者経験のある記者が
「日本人は有名人を崇拝する傾向があるように思う。それについて負担を感じることはあるか?」と質問。
山田監督は、「もし崇拝されているのなら、とても困ったことだ。僕は一市民として、誰とでも話し合いたいと願っている」と話した。

鶴瓶も、「ある日、道を歩いていたらおばさんが1000円札を持って近寄ってきて『くずれない?』と聞いてきた。500円が混ざっても構わなければ大丈夫と答えたんです。それくらい僕はすごく近い位置にいるつもりです」と答えると
多国籍で構成された場内は爆笑に。それでも、「こちらの気持ちの持ちようだと思う。いかに普通でいるかが大事なんじゃないでしょうか」と真摯に訴えていた。

また、山田監督の撮る作品には
希望のメッセージが込められている気がする、という指摘の声も。
これには山田監督自らが、「今の日本社会を見ると未来は暗いなあと思う。そんな時代にあって、絶望するフリをするのは簡単なこと。むしろ、希望を抱くことのほうがはるかに難しいんじゃないでしょうか。僕の作品を見てくれた人の気持ちが、映画を通じてつながってくれればうれしいです」と生真面目に語った。

さらに、別の記者は日本映画のラインナップに
リメイク作品が多いことを憂えた。
山田監督は、これにも「リメイクが多いのは日本だけじゃなく、ハリウッドはもっと多い。企画力の貧困、作り手の想像力の欠如が原因でしょう。黒澤明作品のリメイクが続いているけれど、黒澤作品を超える作品ができるわけがない」と一石を投じた。

黒澤明作品のリメイクが続いているけれど
黒澤作品を超える作品ができるわけがないと山田洋次監督は言っている。
山田監督は黒澤明監督のことを敬愛、尊敬しているから出た言葉だ。

同じことを沼田識史(美術家)氏もずっと言っている。
この前「悪い奴ほどよく眠る」がフジテレビでリメイク放送していたが
最低なドラマだったと沼田氏は言っている。
前にテレビ朝日でも「天国と地獄」「生きる」もリメイク放送を
していたが、いい俳優がいなくなっている現在、この2つの
リメイクのドラマも大変クダラナイ作品だった。
沼田氏は言う「黒澤作品のリメイクはもうやめて欲しい」と