クリスチャン ラクロア(Christian Lacroix)

デザイナーのクリスチャン・ラクロア(Christian Lacroix)は
1951年5月16日フランス、プロヴァンス地方のアルルに生まれ
ソルボンヌ大学で美術史を専攻後、エルメス(Hermès)入社。
アクセサリーデザイナーを経て
1974年、Francoise Rosenthielと結婚。
1980年ギ・ポーランの助手としてビブロス入社。
1981年ジャン・パトゥのオートクチュール
チーフデザイナーに抜擢される。


1987年に独立して、自身のメゾン「クリスチャン ラクロア」を設立。
初のオートクチュールコレクションを発表。
同年、LVMH(当時は、アガシュ・ウィロー・グループ)の
バックアップにより自らのメゾンをフォーブル・サントーレに構え
7月のオートクチュールでデ・ドール賞(金の指貫)を受賞。
1988年、二回目のデ・ドール賞受賞。
1989年イタリアのジェニーからプレタポルテにも進出。


90年初の香水「セ・ラ・ヴィ」発表。
1995年カジュアルライン「BAZAR」開始。
96年「ジーンズ・ド・クリスチャン ラクロア」をスタート。


オートクチュールの寵児として一世を風靡したが、香水の失敗以後、輝きを失いつつあるとの評価もあった。


2002年フランス最高の勲章レジオン・ド・ヌールを受賞
。2003年、2005年4月に一新されたエールフランス(Air France)の
制服デザインを担当。
乗務員や地上職員ら17職種、約3万6000人の制服を手がけた。
2004年、ポップスの女王(Queen of Pop)マドンナ(Madonna)の
ワールドツアーの衣装をデザイン。


2004年春夏から、メンズラインを開始。
Sadevグループによって生産され
フランスの高級専門店およびデパートと
中東でスーツ、シャツ、ニットなどを販売。
2003年春夏から2006年春夏までエミリオ・プッチ(Emilio Pucci)
のアーティスティック・ディレクターに就任。


その後、フランスの高速鉄道TGV
(Tres Grande Vitesse)の内装をデザイン。
2004年にはラルース辞書百年版の装丁も手がける。
表紙と各アルファベットのトップページのデザインを担当した。


2005年1月、ラクロアのオートクチュール・コレクション終了後
LVMHは米国第2位の免税店グループ、Falicグループに
クリスチャン ラクロワを売却すると発表。
Falicグループは、ファッションとコスメ分野への進出を明らかにしており
2003年12月にはLVMHからコスメブランド「Hard Candy」と
「Urban Decay」を買収したことがあった。


2009年5月、Falicグループがラクロアの売却を進めているとの
噂が流れる中、クリスチャン・ラクロワはパリの商業裁判所に
自己破産を申請。事実上、破たんした。
裁判所は今後、再建か清算するべきか判断するが
同社は再建計画を提出する予定。
ラクロアの獲得以来、我々は高級ブランドの
進展に注力してきました。しかし、ラグジュアリー市場の
急激な下降は私たちの収益をかなり傷つけました」と
ラクロワのCEO、Nicolas Topiol。


Topiolによると、ラクロアは売却を前提に
金融パートナーおよび投資者との交渉中だったが
景気後退の影響を受けて、まとまらなかった。
関係者からの情報によるとラクロアの2009年秋冬の売り上げは
35パーセント縮小し
2008年の収益は4200万ドルの売り上げに対し
1400万ドルの赤字だったという。
ラクロアのフレグランスのライセンス権を2010年まで持つ
インター・パヒュームはラクロア・ブランドの
フレグランスの開発を休止した。
Topiolはあくまでも売却やスポンサーを探して、再建を目指すとして
7月のオートクチュールコレクションは予定通り発表され
クチュール、プレタポルテの生産も続けるとしている。


日本では三共生興によって展開され
2001年代官山に日本初のフラッグシップショップをオープン。
2005年3月、銀座のZOE GINZAに旗艦店をオープン(代官山は閉店)。
直営店は六本木ヒルズ店、帝国ホテル店、赤坂サンローゼ店
大阪帝国ホテル店。


09/10FW COLLECTION
ラクロワテイストをキープしながらシンプルに表現  

タフタやブロカード、繊細なレースといった
「クリスチャン・ラクロワ」らしいゴージャスな素材使いをしながら
シンプルで着やすそうなデザインのアイテムを並べていた
今季のコレクション。
黒、グレー、ベージュなど、落ち着いたトーンのスカートスーツや
コートには、ラインストーンをあしらった
ビジューベルトやリボン飾りを合わせ
フェミニンで華やかな味付けをしている。
ジゴ袖(ジゴは、“羊の脚”のシルエットの袖を意味する
フランス語“Manche a Gigo”の略。膨らんだ袖を意味する)の
セーターやジャケットも決して大袈裟にはならず
デイリーに活用できそう。