神の手を持つ男

皆さんはいざ何かあった時には、やはり
いい医者は必要ですよね。でもいい医者は
なかなか居ないものです。いい医者の条件は
まず人格者であること。人を差別しない。詳しく
言うと、日本のどこかの教授みたいに、
テレビに出ている芸能人や政治家みたいな
特別診療患者しか診ないアホ医者が日本には
たくさんいます。それに加えて腕も下手。
もちろん差別しないで診察してくれる
医者もたくさんいます。誤解のない様に。
この話は現代美術家沼田識史氏の話なんで
すが。了解を得たので話をします。
皆さんの記憶にもまだ残っていると思いますが
プロレスラーの橋本真也さんや漫才師の
松本竜介さんが亡くなったのは脳幹出血と
言われています。
沼田識史氏は約5年前に脳幹部に出来た
海綿状血菅腫というブドウの房みたいな
血菅腫が破裂して、脳幹出血を起こしました。
一時は右半身に麻痺があったのです。
脳幹出血は殆どが即死か寝たっきりになる
確率が高いので怖い脳の病気です。
まだ沼田識史氏の脳幹部には海綿状血菅腫が
あり2回目の破裂がいつになるのかわからない
状態です。日本の脳外科の間では脳幹と延髄は
触ったらいけないよ(手術したらいけないよ)と
いう言葉があるくらい神の領域にあるのです。
また日本で手術できる医者は数人しかいません。
でもその数人でさえ腕が確かとは言えないのです。
皆さんもご存知の通り脳外科は2つに分けられます。
器質的な分野と脳血菅の分野です。脳血菅の日本の
第1人者は北海道の旭川にある旭川赤十字病院
脳外科部長の上山博康医師であります。もうテレビ
に多数出演してるので皆さんは分かりますよね。
人間的にも腕も素晴らしい医師だそうです。
器質的な分野で世界の第1人者はやはり
アメリカのデューク大学の脳外科の教授であり、また
エスヴァージニア大学の脳外科の教授でもある
神の手を持つ男、福島孝徳医師であります。
今ではテレビに多く取り上げられる事が多くて
知らない人はいないんじゃないかと思うほど
たくさん出ていますね。話が随分ずれましたけど、
まだ福島医師がテレビにあまり出ていない頃に
神戸にいる沼田識史氏の親友である女性が
英語文で沼田氏の病状を説明したメールを
アメリカに居る福島医師に出したところ
わずか1日で返事が返ってきて、日本に行くから
診ましょうと言ってくれたそうです。
福島医師は今まで2万5千人も命を救ってきたが
脳幹部にできた海綿状血菅腫の手術数はわずか
70例だったそうです。危険な場所だし2回目、
出血をした時に手術をしようと言われたそうです。
やはり脳幹と脳延髄は神の領域なんだなぁ〜と
沼田氏は思ったそうです。福島医師は日本の医者なら
嫌がるテープ録音をしてもいいですか?という
質問にも気さくに「いいですよ。録音して、録音して」と
気さくだったそうです。それと個人的な話もしてくれたそうです。
僕は3回結婚してるからとか、沼田さんと同じに僕の
娘の旦那さんも現代美術家なんだよとか。いろいろな
話をしてくれたそうです。
上山医師も福島医師も、日本のアホ教授クラスみたいに
意地が悪くないそうです。特別診療患者も診ないそうです。
差別もしないそうです。
長くなりましたが、最後に一つだけいいますね。
福島医師に診てもらったお礼に、沼田識史氏は
1万円を渡したそうです。それに対して福島医師は
大事にこのお金を研究に使わせてもらうよと言った
そうです。その2ヵ月後にアメリカの福島医師から
手紙が届いたそうです。「この間、受け取ったお金は
ちゃんとここに寄付しましたからね」と直筆のサイン
入りで。沼田氏は大変驚いたそうです。この人は
本物だと思ったそうです。
「日本の医者なら、国立や県立は金銭の受け取りは禁止
されてるけど、私立の病院ならみんな自分の懐に入れているな」
と沼田氏は言っていました。